ワタシ ノ タンジョウビ [アイマス]
毎日毎日がパァーっと過ぎていく。
プロデューサーとあずさんさんと私……そしてファンとの時間。
気が付いたら、たっくさんの時間が過ぎていてイッパイいろんな事をやっていた。
ジムショも二回お引越しして大きくなったケド、やっぱり一番最初のジムショが一番居心地がヨカッタなぁ……。
そんな事を思い出していたら、いつの間にか目の前が真っ暗になっていた……。
「やよい、学校が春休みでアイドル活動も終わったからっていつまでも寝てないで」
お母さんの声で私は目を覚ます。
そう……あずささんと私のユニット『春 梓』は五日前に解散した。
もの凄く忙しい毎日だった。
解散コンサートにはたくさんのファンが集まってくれて、みんなでイッパイ盛り上がった。
そして私は携帯を社長に返して春休みを貰った。
次のプロデュースが決まったら、事務所から連絡を入れるからそれまでは普通の女の子に戻りなさいって。
そんな社長の言葉を思い出しながら、私は何となく右手を見つめる。
プロデューサーと最後にしたハイタッチの感触はもう無くなっていたけれど、手の大きさは覚えている。
大きくて、少し硬いけれどやわらかい手……。
「♪メールも~携帯も~な~らない~」
天井を見ながら何となく、口ずさんでみる。
春 梓で最後に歌った曲。
私は、もう携帯を返しちゃったからメールも携帯も鳴らない事を思い出して少し笑った。
解散してから何となくだけど、この曲の気持ちがわかった気がする。
「もう少し早く気付きたかったなぁ……」
プロデューサーは私たちのプロデュースが終わったらすぐに、新しいユニットのプロデュースに取り掛かり始めた。
確か『Snow/L』って名前だったっけ?
プロデューサーには春休みが無いのに、私だけ休んでいてもイイのかなぁ?
でも、新しいプロデューサーが決まらないとムリだよね……
「ほら、やよい! 早くご飯食べちゃいなさい」
そんな事を考えていたらお母さんに怒られちゃった。
私はお布団をたたんで部屋を出て行った。
「やよい、ご飯食べたらチョットお遣い行ってくれる?」
お母さんが、そう言いながら玉子焼きを食べている私にメモを渡してくる。
メモを見てみると、商店街のケーキ屋さんの名前が入った紙がクリップで留められていた。
「お母さん、ケーキ屋さんってどうしたのっ!?」
私は慌ててお母さんに問いただす。
ウチでケーキを食べるのは、よほどの事が無い限り滅多に無いからそれだけで嬉しくなってしまう。
さっきまでお布団の中で色々と考えていた事なんて、いっぺんに吹き飛んでしまう。
「もう、やよいったらアイドルが忙しくって自分の誕生日忘れちゃった?」
お母さんは優しく、少し呆れた様な声で私の質問に答えてくれた。
そっか、今日って私の誕生日だったんだっけ。
自分の誕生日も忘れてしまっているのが少し恥ずかしかったけれど、今日でまた一つ大人に近づいたんだ。
それが少し嬉しくて、私はご飯を食べたらすぐに商店街へと走っていた。
商店街のお店の人たちが、買い物をしている私に声をかけてくれる。
私はそれに返事をしながら、今日のメインイベントのケーキ屋さんへと向かう……途中で見慣れた後姿を見つけた。
きょろきょろとしながら、長い黒い髪を揺らしている。
「そうだ……」
私は、その人の後ろにそうっと気付かれないように近づいていく。
そして……。
「あ~ずささんっ!」
「え……?」
そして、そのまま私は空を見ていた……。
「やよいちゃん、イキナリ飛びついたりしたら危ないでしょう?」
「はい……ゴメンナサイ……」
私はあずささんに後ろから飛びついて驚かせようとした。
で、あずささんに声をかけた瞬間にあずささんは振り返って私はその足に躓いてこけそうになった。
それをあずささんは抱き止めようとしてくれたのだけど……結局、二人ともこけてしまっていた。
「でも、丁度良かったわ」
あずささんは怒った顔を、いつもの優しい顔に戻して私の頭を撫でてくれた。
「実は、やよいちゃんのお家に行こうと思ってたんだけど道に迷っちゃって」
「え? あずささん、私に用事だったんですか?」
ちょっと驚いた。
春 梓が解散してから、一度もあずささんとは連絡を取っていない。
と言うよりも、あずささんの携帯の番号を控えずに携帯を返してしまった所為なんだけれど……。
「もちろんよ。今日は、やよいちゃんの誕生日でしょう? だからお祝いしてあげようと思って」
うれしい。
今朝、春 梓の事を考えていた所だったから本当にうれしい。
「じゃあ、一緒にウチまで一緒に行きましょう!」
「ええ」
あずささんと一緒に、帰り道を歩く。
たった五日会わなかっただけなのに、もう何年も会っていないふうにも思う。
この五日間の事をあずささんと話しながら歩いていると、いつもの帰り道があっと言う間だった。
「ただいま~!」
「やよい、お帰り……って、何であずささんまで一緒に?」
家に帰ってきた私を出迎えてくれたのは驚いた顔のプロデューサーだった……。
「ひどいですよプロデューサ~、来るならちゃんと連絡ください!」
私はうれしくて顔が笑いそうになっているのをガマンしながら、プロデューサーに文句を言う。
「まぁまぁ、やよいちゃん。私たちからのドッキリ~♪」
「あずささんは、ドッキリしかける前にやよいに見つからないで下さい」
笑いながら「ドッキリ~♪」と言うあずささん、それを注意するプロデューサー。
もう二度と見ることのできないと思っていた光景が、また見れたのが本当にうれしかった。
でも、何で私が居ないって事を知っていたんだろう?
そんな事を悩んでいると……。
「実は、お母さんもグルだったの」
お母さんが、お茶を持ってきながら教えてくれた。
昨日、私が居ないうちにお母さんがプロデューサーからの電話を取って計画していたらしい。
もう、中々プロデューサーには会えなくなると思っていたからこんな形で再開するとは思っていなかった。
「そういう訳で、コレ私からのプレゼント」
お母さんの淹れてくれたお茶を飲みながら、さっき買って来たケーキを三人で食べていた。
そしたら、あずささんが突然思い出した様にバッグからキレイな包みに入ったプレゼントを出してくれた。
「ねぇねぇ、開けてみて?」
あずささんは早く私に中身を見てもらいたいのか、何だかうずうずとしながら私の方を見ている。
私は、きれいにテープを剥がす。
「あ、コレって……」
出てきたのは、あずささんと私の人形の付いたストラップ。
「うっう~、あずささん! コレってまだ残ってたんですか!」
お互いに、ちょっとだけ似ていないケド私たちには懐かしい人形。
「ええ、私たちの思い出が詰まっててイイでしょう、コレ」
そう、私たちが駆け出しの頃CDのオマケで付いてきたストラップ。
あの時は確か、私たちもお店でCDを売っていたんだったっけ……。
本当に思い出が詰まっていて、誕生日にこんなプレゼントを貰えるのは自分が頑張ってきた証拠みたいだった。
「そして、俺からはコレ」
そう言って、プロデューサーが出したのは……見慣れた携帯。
「コレって……私が借りていた携帯……」
リボンがかけられていたけど、それは確かに社長に借りていた携帯だった。
「やよい、もう一度俺と一緒にやっていかないか? まぁ、俺も『Snow/L』がメインになるから『春 梓』の時みたいに忙しくはならないし、今度はソロだからやよいがよければだけど……」
「うっう~! モチロンですよプロデューサー! もう一度、トップアイドル目指しましょう!」
私は、立ち上がってプロデューサーの前に右手を差し出す。
プロデューサーも私が何をやりたいのか判っていて、私の前に立ってくれた。
「せ~のっ!」
「「ハイ、タ~チッッ!!」」
プロデューサーとあずさんさんと私……そしてファンとの時間。
気が付いたら、たっくさんの時間が過ぎていてイッパイいろんな事をやっていた。
ジムショも二回お引越しして大きくなったケド、やっぱり一番最初のジムショが一番居心地がヨカッタなぁ……。
そんな事を思い出していたら、いつの間にか目の前が真っ暗になっていた……。
「やよい、学校が春休みでアイドル活動も終わったからっていつまでも寝てないで」
お母さんの声で私は目を覚ます。
そう……あずささんと私のユニット『春 梓』は五日前に解散した。
もの凄く忙しい毎日だった。
解散コンサートにはたくさんのファンが集まってくれて、みんなでイッパイ盛り上がった。
そして私は携帯を社長に返して春休みを貰った。
次のプロデュースが決まったら、事務所から連絡を入れるからそれまでは普通の女の子に戻りなさいって。
そんな社長の言葉を思い出しながら、私は何となく右手を見つめる。
プロデューサーと最後にしたハイタッチの感触はもう無くなっていたけれど、手の大きさは覚えている。
大きくて、少し硬いけれどやわらかい手……。
「♪メールも~携帯も~な~らない~」
天井を見ながら何となく、口ずさんでみる。
春 梓で最後に歌った曲。
私は、もう携帯を返しちゃったからメールも携帯も鳴らない事を思い出して少し笑った。
解散してから何となくだけど、この曲の気持ちがわかった気がする。
「もう少し早く気付きたかったなぁ……」
プロデューサーは私たちのプロデュースが終わったらすぐに、新しいユニットのプロデュースに取り掛かり始めた。
確か『Snow/L』って名前だったっけ?
プロデューサーには春休みが無いのに、私だけ休んでいてもイイのかなぁ?
でも、新しいプロデューサーが決まらないとムリだよね……
「ほら、やよい! 早くご飯食べちゃいなさい」
そんな事を考えていたらお母さんに怒られちゃった。
私はお布団をたたんで部屋を出て行った。
「やよい、ご飯食べたらチョットお遣い行ってくれる?」
お母さんが、そう言いながら玉子焼きを食べている私にメモを渡してくる。
メモを見てみると、商店街のケーキ屋さんの名前が入った紙がクリップで留められていた。
「お母さん、ケーキ屋さんってどうしたのっ!?」
私は慌ててお母さんに問いただす。
ウチでケーキを食べるのは、よほどの事が無い限り滅多に無いからそれだけで嬉しくなってしまう。
さっきまでお布団の中で色々と考えていた事なんて、いっぺんに吹き飛んでしまう。
「もう、やよいったらアイドルが忙しくって自分の誕生日忘れちゃった?」
お母さんは優しく、少し呆れた様な声で私の質問に答えてくれた。
そっか、今日って私の誕生日だったんだっけ。
自分の誕生日も忘れてしまっているのが少し恥ずかしかったけれど、今日でまた一つ大人に近づいたんだ。
それが少し嬉しくて、私はご飯を食べたらすぐに商店街へと走っていた。
商店街のお店の人たちが、買い物をしている私に声をかけてくれる。
私はそれに返事をしながら、今日のメインイベントのケーキ屋さんへと向かう……途中で見慣れた後姿を見つけた。
きょろきょろとしながら、長い黒い髪を揺らしている。
「そうだ……」
私は、その人の後ろにそうっと気付かれないように近づいていく。
そして……。
「あ~ずささんっ!」
「え……?」
そして、そのまま私は空を見ていた……。
「やよいちゃん、イキナリ飛びついたりしたら危ないでしょう?」
「はい……ゴメンナサイ……」
私はあずささんに後ろから飛びついて驚かせようとした。
で、あずささんに声をかけた瞬間にあずささんは振り返って私はその足に躓いてこけそうになった。
それをあずささんは抱き止めようとしてくれたのだけど……結局、二人ともこけてしまっていた。
「でも、丁度良かったわ」
あずささんは怒った顔を、いつもの優しい顔に戻して私の頭を撫でてくれた。
「実は、やよいちゃんのお家に行こうと思ってたんだけど道に迷っちゃって」
「え? あずささん、私に用事だったんですか?」
ちょっと驚いた。
春 梓が解散してから、一度もあずささんとは連絡を取っていない。
と言うよりも、あずささんの携帯の番号を控えずに携帯を返してしまった所為なんだけれど……。
「もちろんよ。今日は、やよいちゃんの誕生日でしょう? だからお祝いしてあげようと思って」
うれしい。
今朝、春 梓の事を考えていた所だったから本当にうれしい。
「じゃあ、一緒にウチまで一緒に行きましょう!」
「ええ」
あずささんと一緒に、帰り道を歩く。
たった五日会わなかっただけなのに、もう何年も会っていないふうにも思う。
この五日間の事をあずささんと話しながら歩いていると、いつもの帰り道があっと言う間だった。
「ただいま~!」
「やよい、お帰り……って、何であずささんまで一緒に?」
家に帰ってきた私を出迎えてくれたのは驚いた顔のプロデューサーだった……。
「ひどいですよプロデューサ~、来るならちゃんと連絡ください!」
私はうれしくて顔が笑いそうになっているのをガマンしながら、プロデューサーに文句を言う。
「まぁまぁ、やよいちゃん。私たちからのドッキリ~♪」
「あずささんは、ドッキリしかける前にやよいに見つからないで下さい」
笑いながら「ドッキリ~♪」と言うあずささん、それを注意するプロデューサー。
もう二度と見ることのできないと思っていた光景が、また見れたのが本当にうれしかった。
でも、何で私が居ないって事を知っていたんだろう?
そんな事を悩んでいると……。
「実は、お母さんもグルだったの」
お母さんが、お茶を持ってきながら教えてくれた。
昨日、私が居ないうちにお母さんがプロデューサーからの電話を取って計画していたらしい。
もう、中々プロデューサーには会えなくなると思っていたからこんな形で再開するとは思っていなかった。
「そういう訳で、コレ私からのプレゼント」
お母さんの淹れてくれたお茶を飲みながら、さっき買って来たケーキを三人で食べていた。
そしたら、あずささんが突然思い出した様にバッグからキレイな包みに入ったプレゼントを出してくれた。
「ねぇねぇ、開けてみて?」
あずささんは早く私に中身を見てもらいたいのか、何だかうずうずとしながら私の方を見ている。
私は、きれいにテープを剥がす。
「あ、コレって……」
出てきたのは、あずささんと私の人形の付いたストラップ。
「うっう~、あずささん! コレってまだ残ってたんですか!」
お互いに、ちょっとだけ似ていないケド私たちには懐かしい人形。
「ええ、私たちの思い出が詰まっててイイでしょう、コレ」
そう、私たちが駆け出しの頃CDのオマケで付いてきたストラップ。
あの時は確か、私たちもお店でCDを売っていたんだったっけ……。
本当に思い出が詰まっていて、誕生日にこんなプレゼントを貰えるのは自分が頑張ってきた証拠みたいだった。
「そして、俺からはコレ」
そう言って、プロデューサーが出したのは……見慣れた携帯。
「コレって……私が借りていた携帯……」
リボンがかけられていたけど、それは確かに社長に借りていた携帯だった。
「やよい、もう一度俺と一緒にやっていかないか? まぁ、俺も『Snow/L』がメインになるから『春 梓』の時みたいに忙しくはならないし、今度はソロだからやよいがよければだけど……」
「うっう~! モチロンですよプロデューサー! もう一度、トップアイドル目指しましょう!」
私は、立ち上がってプロデューサーの前に右手を差し出す。
プロデューサーも私が何をやりたいのか判っていて、私の前に立ってくれた。
「せ~のっ!」
「「ハイ、タ~チッッ!!」」
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